院長ブログ

ピルとは

2018.07.12

ピルとは、エストロゲンという女性ホルモンとプロゲステロンという女性ホルモンの合剤です。エストロゲンもプロゲステロンも両方共に卵巣から分泌される女性ホルモンです。

月経周期の1日目から14日目にかけて、卵巣の中で卵胞という組織が発育します。14日目ころには2cm程度まで大きくなり、排卵します。排卵した後に、卵胞は黄体というものに変化します。卵胞は妊娠が成立しないと、14日間で寿命を迎え(月経周期の28日目)、退縮します。

卵胞からエストロゲンが分泌されます。エストロゲンは、子宮の内側にある子宮内膜を刺激し、細胞分裂を盛んにして増殖させます(増殖期)。

排卵後、黄体からエストロゲンと同時にプロゲステロンが分泌され、増殖した子宮内膜を維持安定させ、グリコーゲン分泌を盛んにし、着床の準備をします(分泌期)。

妊娠が成立していないと、この黄体が退縮するとともに、エストロゲンもプロゲステロンも分泌されなくなり、子宮内膜を維持することができなくなり、子宮からはがれおちます。

これが月経(生理)という現象です。プロゲステロンがなくなることで出血するので、「消退出血」とも呼ばれます。

ピルはエストロゲンとプロゲステロンの合剤です。簡単に言えば、服用することで排卵後の子宮内膜の状態を作り出すことになります。ピルを間断なく飲み続ければ、ずっと月経を停止させておくことができます。これは、妊娠に似た状態なので、このような治療を行うことを「偽妊娠療法」といいます。

投稿者:内出医院

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