2018.07.23
普段、腟内には「デーデルライン腟桿菌」という乳酸菌系の菌が存在し、腟内を酸性に保つことによって、雑菌による感染にならないようにしています。ストレスなどで免疫力が低下すると、この菌のバランスが崩れ、炎症を来し、おりものの異常をという症状を出すようになります。腟内を消毒、抗菌薬投与で治療可能です。
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2018.07.23
閉経後など、卵巣ホルモンの分泌が低下した状態では、腟粘膜が萎縮し、乾燥傾向になります。それに伴い、外陰部の慢性的な痛み、かゆみが出現することがあります。また、乾燥した粘膜は、細菌感染などへの抵抗力が低下するため、容易に炎症状態を引き起こし、帯下の異常などの原因となります。ホルモン剤の投与にて、容易に治療可能です。
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2018.07.23
排卵の障害を引き起こし、生理不順になることが多い疾患です。妊娠しにくい原因になることもあります。卵巣ホルモン(エストロゲン)高値となることもあり、その結果、ニキビの原因になることもあります。その状態を放置してしまうと、将来的に乳がんや子宮体がんのリスクを高めてしまうことがあります。基礎体温の測定、超音波検査やホルモン検査で診断していきます。妊娠希望の方では、排卵誘発剤による治療を行います。すぐの妊娠希望のない方では、低用量ピルによる月経周期作成を行います。
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2018.07.21
「子宮内膜症」という似た名前の病気がありますが、それとは全く別の病気です。子宮内膜とは、はがれて月経になる部位であり、妊娠に際しては、着床する部位です。エストロゲンという女性ホルモンの刺激によって子宮内膜は増殖しますが、子宮内膜増殖症では、過剰に増殖した状態になり、月経量の増加や、不正性器出血の原因になります。単純型と複雑型に分類されます。複雑型は、子宮体がんに進行することもあり、注意が必要です。
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2018.07.21
子宮体がんとは
子宮下部(腟に近い部位)を子宮頸部、子宮上部(赤ちゃんを妊娠する場所)を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頸がん、子宮体がんといいます。
子宮体がんは、最近、日本の成人女性に増えてきているがんのひとつです。子宮内膜という組織から発生し、子宮内膜がんとも呼ばれています。
子宮内膜は、はがれて月経になる部位であり、妊娠に際しては、着床する部位です。
エストロゲンという、卵巣から分泌されるホルモン(女性ホルモン)の刺激が強すぎることも、子宮体がんリスクの一つです。
エストロゲンには子宮内膜細胞を刺激し、増殖させる作用があります。
エストロゲン値が高いと、子宮内膜増殖症という状態を起こし、そのまま放置されると子宮体がんになることが知られています。
出産経験がない、肥満、月経不順がある、エストロゲン製剤だけのホルモン療法を受けている方などがこれにあたります。
高齢者では、エストロゲン刺激と関連なく生じる子宮体癌もあります。
また、高血圧、糖尿病、近親者に乳がん・大腸がんの方がいることなどもリスク因子であると言われています。
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2018.07.21
子宮頸がんとは
子宮下部(腟に近い部位)を子宮頸部、子宮上部を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頸がん、子宮体がんといいます。
子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。
以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30歳代の若い女性にも増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染によって起こることが多いことがわかっています。
子宮頸がんの高危険群のHPVは、性交経験のある女性の約10%において検出されると言われています。
そのうち多くの方では、2年以内に自分の免疫力でウイルスは排除されますが、10%の人は感染が長期間持続し、がんの前の段階である異型細胞が増殖します。
さらに、このうちの一部の方が、子宮頸がんに進行するといわれています。
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2018.07.21
本来は、子宮内腔に存在する子宮内膜またはその類似組織が子宮内腔以外の場所に存在し、進展する疾患です。良性疾患にもかかわらず、病変によって癒着、浸潤を起こし、なかなか根治ができない疾患です。エストロゲン(卵巣ホルモン)依存性疾患であり、卵巣機能を持っている女性(月経がある方)であれば、発症する可能性があります。罹病率は10%以上と言われていますが、症状がなく、病院にもかかっていない方はもっといるとも言われています。子宮、卵巣、直腸周囲に好発し、周りの組織と強固にくっつく「癒着病変」を形成し、様々な症状を出します。卵巣にできて大きくなると「チョコレート嚢胞」、腹膜病変が発展すると「腹膜病変」、子宮の筋肉の隙間にできて子宮が腫大すると「子宮腺筋症」という呼び方をすることがあります。手術療法、ホルモン療法などありますが、治療の選択は、妊娠希望の有無や年齢などによっても変わります。ご心配な方は、一度受診して下さい。
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2018.07.21
子宮の腫瘍には、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮がん(頸部がん、体がん)、子宮肉腫があります。
がんと肉腫は悪性腫瘍に分類されますので、ここではそれ以外の疾患について解説いたします。
子宮筋腫の頻度は高く、90%の人は持っているとも言われています。一部の方に症状があり、さらにその一部に治療が必要な子宮筋腫があります。子宮筋腫と判別が難しい疾患として、子宮内膜症の類似疾患である、子宮腺筋症という疾患もありますが、診察、検査をしないと判定できません。場合によっては、子宮体がんなどの悪性疾患でも子宮は腫れます。指摘を受けたことがある方は、一度受診をお勧めします。
子宮筋腫は「エストロゲン」という女性ホルモンの影響を受けて増大します。従って、女性ホルモンが盛んに分泌されている成熟女性では、一度子宮筋腫になると、閉経するまで増大します。
子宮筋腫による症状があり、それによる健康障害や日常生活への支障がある場合は、治療の適応となります。
子宮筋腫をもっていても、多くの方は症状がほとんどありません(検査で指摘されても症状がなければ問題ないのです)。子宮筋腫は、出来る場所によって「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」「粘膜下筋腫」に分類されます。
子宮は平滑筋という筋肉で構成されていますから、「筋層内筋腫」ができる頻度がもっとも高くなります。文字通り子宮の筋肉の中で発育していき、大きくなり、子宮内膜が拡張する程度になると月経量が増加する「過多月経」、またそれによる失血からの貧血などの症状を引き起こすようになります。
「漿膜下筋腫」は子宮の表面を覆っている漿膜という組織直下に出来ます。子宮の外側にむかって発育するため、かなりの大きさになるまで症状が出にくいのが特徴です。お腹の上(頭側)に向かって発育すると、相当大きくなってから「腹部腫瘤感」で自覚されることがあります。子宮のすぐ前に膀胱があり、ここを圧迫するようになると膀胱を刺激するようになるため、頻尿症状がでることがあります。後方に発育すると、直腸を圧迫するようになり、この場合、便秘症状になることがあります。
頻度としては一番少ないのが「粘膜下筋腫」ということになりますが、「筋層内筋腫」が内膜方向に成長して「粘膜下筋腫」と呼ばれるようになることもあります。「粘膜下筋腫」は、月経になる部位=子宮内膜にできる筋腫で、小さくても過多月経症状が強くでて、健康診断の貧血指摘を受け、婦人科受診される、というケースも多くあります。
妊娠への影響は、子宮内膜を圧迫するようなものがあれば、当然妊娠へ影響することになります。海外論文では、4cm以上の筋腫について、大きさ、症状の有無、発生部位にかかわらず、摘出した方が不妊治療中の妊娠率向上につながったというデータが示されていますが、日本での調査では子宮筋腫の核出と不妊治療における妊娠率との相関はなかったことになっています。しかし、妊娠中に子宮筋腫の存在によっておこる産科的合併症(胎位異常、胎盤位置異常、流産早産、分娩後出血の増加など)の出現があるため、妊娠前に子宮筋腫が判明した場合は、筋腫を取り除いた方がよいということにもなっています。
子宮筋腫の治療については、こちらのページをご覧下さい。
子宮腺筋症も子宮の良性腫瘍であり、子宮筋腫同様、「エストロゲン」の影響を受けて、増大します。
以前は「内性子宮内膜症」と呼ばれており、「子宮筋層に子宮内膜症病変ができたもの」という分類をされていましたが、いまは子宮内膜症とは別疾患としています。しかし、概念的には変わっていませんので、私が外来で患者さんに説明をするときには「子宮内膜症が子宮の筋肉のなかにできたもの」と表現しています。
子宮内膜症という疾患そのものが、炎症性疾患と考えられていますので、漫然と子宮内で炎症が存在しているような状況になっています。この炎症は、月経のときに悪化すると考えられており、結果として月経時に激しく痛むことを特徴とします。
病変が小さいと自覚症状はほとんどないことが多いのですが、増大することにより月経時の痛みとして症状が出てくることが多いです。
また、子宮筋腫と同様、子宮筋層が引き延ばされることによって、子宮内膜の面積が拡大すること、子宮腺筋症病変部分は正常子宮筋層のように子宮収縮がおこりにくいことから、月経時の出血が増大、結果として貧血という症状になることがあります。
子宮腺筋症病変は、正常筋層から剥がしにくいため、よほど限局している病変以外は病巣摘出が困難です。根本的な治療を求める場合は子宮摘出が良いと考えています。
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2018.07.21
良性腫瘍、悪性腫瘍があり、超音波検査、腫瘍マーカーなどで総合的に判断します。正常の卵巣でも、月経周期によって、卵巣が大きくなることもあります。診察、検査をしないと判断できません。症状を起こすことがあまりないため、発見が遅れることも多々あります。健康診断などで、指摘された方は、お早めに受診して下さい。
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